こんにちは!ふるのーと(@fullnote)です!(*^^*)
皆さんは、バンドマンがライブを行う時にどれくらいお金がかかっているかご存知ですか?
ライブ前の練習用のスタジオ代とか含めると結構掛かるんですよね。
今回は、その中でもノルマについてのお話です。
アマチュアミュージシャンがブッキングライブを行う時には、ライブハウスに対してノルマとがかかることがほとんどです。
このノルマ制については色々議論があるのですが、今回はそのあたりについて、想うところを書いていきたいと思います。
※ノルマといえば、劇団舞台や営業販売でも出てくる言葉ですが、今回はミュージック・シーンのライブハウスにおけるノルマについてです。
チケットノルマ制度とは
駆け出しのバンドマンや、趣味ミュージシャンがライブを行う時は、1回のライブイベント、ブッキングライブに対して、一定数のノルマが課されます。
というものですね。
言うなれば、出演のための基本料金…ではありません。
よく勘違いしている人がいますが、ノルマは基本料金ではありません。
ノルマ=基本料金であると認識していると、
「お金を払えばいいんでしょ?」
と勘違いする人がいますが、ノルマはそのイベントを価値あるものにするためのライブハウスと出演者の目標値です。
誰もガラガラのライブハウスでライブしたいと思っている人なんていませんよね?
ノルマを出演料・基本料金と捉えると、出演者が満たせばいいだけのものとなってしまいますが、ノルマは、ライブハウスと出演者の目標値です。
イベントを良いものにするために必要なKPIなのです。
少し概念的で伝わりづらいですが、ノルマはただ払えば良いだけの基本料金とは別物だという認識を持つ人たちのほうが素敵なライブが出来ているような気がしています。
「綺麗事言うな」と言われてしまうかも知れませんが、ノルマ≠出演料と考えを変えて前向きに捉えていくことも重要なのかも知れません。
チケットノルマによる負担
とはいえ、やっぱり毎回のライブのノルマは辛いですよね。
友達を誘うのでも毎回となると迷惑がられてしまいそうで難しいです。。
ノルマの売り方さばき方を真剣に調べる人も多いです。
自腹で負担でも良いのですが、それはなんか違いますよね。
というわけで、ノルマの金額例について、いくつか具体的な例を見てみましょう。
2000円×10枚、11枚目以降30%キャッシュバック
チケット料金2000円でノルマが1バンド10枚、11枚目以降30%キャッシュバックだった場合、
20人集客した場合、10 x 2000円 x 30%=6,000円のキャッシュバックとなります。
ライブハウスに入る収益は、20000+14000=34000円+ドリンク代です。
2000円×15枚、16枚目以降100%キャッシュバック
チケット料金2000円でノルマが1バンド15枚だった場合、16枚目以降100%キャッシュバックだった場合、
20人集客した場合、5 x 2000円 x 100%=10,000円のキャッシュバックとなります。
ライブハウスに入る収益は、30000円+ドリンク代です。
ノルマ無し、キャッシュバック無し
チケット料金2000円でノルマはなし、キャッシュバック無しだった場合、
何人集客できたとしてもキャッシュバックはありません。
ライブハウスに入る収益は、集客人数 x 2000円+ドリンク代です。
まとめてみると、、ノルマが多くてもキャッシュバック次第で良いときもある?
チケット代 | ノルマ | CB | 20人集客時CB | ライブハウスの収益 |
---|---|---|---|---|
2000円 | 10枚 | 30% | 6000円 | 34000円 |
2000円 | 15枚 | 100% | 10000円 | 30000円 |
2000円 | 0枚 | 0% | 0円 | 40000円 |
まとめてみると、20人集客時は、上記のようになりますね。
そうですかね?
どれがいいですか?
一見ノルマが少ないほうが嬉しいですが、キャッシュバックの割合次第やノルマ枚数次第では、必ずしもノルマが少ないほうが良いということでも無いんですよね。
これが集客10名の場合だと
チケット代 | ノルマ | CB | 10人集客時CB | ライブハウスの収益 |
2000円 | 10枚 | 30% | 0円 | 20000円 |
2000円 | 15枚 | 100% | -5000円 | 20000円 |
2000円 | 0枚 | 0% | 0円 | 20000円 |
こんな感じになりますね。
一見、ライブハウスのリスクが少なくて、ライブハウスに都合の良いように見えるノルマでも、集客人数が少ないのはライブハウスにとっても嬉しいことではない点を忘れてはいけません。
ライブハウス側もどういう形がベストかというのは考えてくれているはずなのです。
ノルマチケット制度のメリット・デメリット
ノルマチケット制度が良いか悪いかは、色々議論があると思います。
現時点では、私はノルマチケット制度はあっても良いと思っています。
ノルマ制度によってイベントの質が保たれる面もあるからです。
人のいないライブなんて見ていられません。(まあ、よくある光景ではありますが。)
デメリットとしてはやはり金銭的な負担は避けて通れないという点ですよね。
なんでもかんでも、ライブに出ればよいのではなく、
適切なレベルのライブハウスに、適切な回数出演する、
のが良いのではないのかなと思います。
例えば、音楽を始めたばかりのビギナーは、ノルマなしか、ノルマ少なめの小さめのライブハウスに出演し、人が集められそうになってきたら、少し大きめのライブハウスに挑戦してみるとかが良いと思います。
ライブの頻度が多すぎて集客できる人数が分散してしまうようであれば、ライブの頻度を落とすということも大事だと思います。
たまに集客を気にしないで、とにかくノルマなしのライブに出演しまくっている人がいます。
完全否定はしませんが、そういう人は音楽が外に向いておらず、自分にしか向いていないので身勝手な印象を受けますよね。
「それがロックだ!」という人は止めませんのでお好きにどうぞ、と言う感じですね。
ライブハウスに潜む根深い問題
ライブハウスには、色々な問題が潜んでいます。
どの世界でもそうですが、良いライブハウス・良いスタッフばかりではないのですよね。
ここが話をこじらせている原因の一つでもあります。。
ライブハウスが汚い
これは、基本中の基本のような気がするのですが、汚いライブハウスって結構あります。
なんでなんですかね?
トイレ汚いところとか二度と行きたくないですね。
これって基本中の基本ですよね。
スタッフの対応が冷たい、妙に上から目線
これは学生や駆け出しバンドマンを相手にしているようなところに多いのですが、スタッフの対応がぶっきら棒だったり、変に先輩風をふかせているのか、上から目線の対応をするところがあります。
はじめてだと、ライブハウスとはそういうところなのかな?という錯覚に陥ってしまうかもしれませんが、良いスタッフのいるライブハウスは沢山あるので騙されないようにしてください。
集客はバンドに全ておまかせ
「集客は出演するバンドに掛かっている」
それについては異論はありません。
ただ、ライブハウス側にも集客について何もしなくて良いのでしょうか?
ウェブサイトを充実させる、おいしい食事をだす、良い環境をつくる、SNSを使って宣伝する、魅力的なイベントを開催するなど、同じイベントを盛り上げる側として出来ることは沢山あるのではないでしょうか。
結果、お客が増えて嬉しいのはライブハウス側も一緒なはずなんですけどね。
ただ、逆にライブハウス側に頼りっきりの集客努力をしない出演者も結構存在していて、このあたりが話をこじらせているように思います。
チケット代高過ぎる問題
外国人目線から、日本のミュージックシーンに関しての意見です、読んでもらうと嬉しいです
賛成したらRTしてください
思ってなかったら、違う意見あるなら会話して欲しい pic.twitter.com/Pc48JnP5d7
— Josh is NEATZ (@joshua_lassman) June 13, 2018
これはどうにもならないのですが、チケット高すぎるんですよね。
セミプロのライブでも3千円で聞ける時代に、なぜ駆け出しのアマチュアのライブがほぼ同じ値段なのか。。
正直、この相場が適正価格だと思えません。
逆に1000円とか安すぎると人を沢山呼ばない採算が取れないので難しい問題ですが、駆け出しミュージシャンにそこまで集客力があるとも思えず、、悲しいジレンマですね。。
これを解決するには、チケットがメイン収入となっている現在のライブハウスのビジネスモデルを変えないと難しいですよね。
ライブハウスの評価がわかる情報が少ない
これだけ悪いライブハウスは当然淘汰されていくはずなのですが、なかなか消えない、もしくは改善しないのは、ライブハウスの評価情報がうまく共有されていないからかもしれません。
アマゾンでも、楽天でも、食べログでも何でも最近は商品を買う前だったり、お店に行く前に他の人の評価を確認出来ますよね。
お店側も評価が下がらないように努力・改善をしますよね。
今のライブハウスにはこれがないんですよね。
これは意外なんですが、なかなか無いんですよね。
不思議です。
そろそろ誰か作るんじゃないですかね。
Rubyで作れるんでしたっけ?
侍エンジニアでRuby学習無料体験出来るみたいだから申し込んでみようかな。
ノルマなしで募集のライブハウスが増えている?
実は最近、チケットノルマが無いライブハウスが増えてきているようです。
下北沢THREE
例えば、下北沢THREEさん。
【重要なお知らせ】
来年2017年1月より
平日月曜〜木曜の持ち込みイベントの大幅な料金改定を行います。また、ブッキングライブでのチケットノルマ制を完全廃止致します。
拡散希望です!
詳しくは以下リンクをご一読頂ければ幸いですhttps://t.co/CDAgkErT8T— shimokitazawa THREE (@shimokita_THREE) October 5, 2016
年間優待チケットを一口3千円で発行し全額を出演者のギャラとして運用します。
出演者・イベンターにかかる全てのリスクを廃します。(チケット代の最低保証・音響/機材費・PAオペレート料の廃止)
持ち込みイベントのチケット代を最大100%までバックします。(土日夕夜は最大80%まで)
持ち込みイベントのフリーパーティープランを用意します。(エントランス2ドリンクのみ)
これすごくないですか?
箱にとって幸福なことは、
“良い音が鳴り、たくさんの人で賑わうこと”です。だから私たちは、
“すべての保険や保証を捨てて信用を重んじる”ことにしました。例えばチケット代は、基本的に出演者・イベンターに優先され、還元されるものだと考えました。
人が入れば最大100%までチケット代をバック致します。
その分私たちはドリンクを売り商売をします。
つまり、リスクはライブハウス側が持つってことです。
出演者のリスクはライブハウス側が持つから、出演者は最高のパフォーマンスをしてくれ!
ってことですよね。
かっこええ。。
もちろん、出演者側が集客の努力をしなくて良いというわけではないです。
THREEの持つ名前の由来は、“演者・お客さん・店”の三本の矢を指し、それがすべて幸せな状態を表しています。
“演者・お客さん・店”が三位一体となってミュージックシーンを盛り上げていきましょうということなんですね。
東京倶楽部
ライブ演奏が楽しめるレストラン・バー東京倶楽部でもノルマ設定なしとなっています。
https://tokyo-club.com/musician/
全店、全ての出演枠でノルマ設定がないので、気軽にライブ出演が可能です。
グランドピアノを含め、お店に備え付けの機材は全て無料でご利用頂けます。
高円寺 楽や
高円寺のライブハウス楽やもノルマなしです!
http://www.luck-ya.com/kizai.html
楽やはライヴハウスではなくBarなので来てくれたお客様や出演者がお酒を飲んだり、食事をしてもらうことが売上げとなります。
ノルマなしで少しでも出演者の負担にならないよう考えています。
出演者の皆様にできるだけ動員の協力をお願いいたします。
こんな感じでノルマなしのライブハウスも探せば、実は結構見つかるようになってきました。
出演者側としては非常に助かりますよね。
こういうライブハウスには頑張って欲しいという思いが生まれますよね。
路上ライブの規制も緩和されて欲しい
話は変わりますが、無料といえば路上ライブも無料ですよね。
ただ、当然規制があるわけで、簡単に路上ライブは出来ない時代です。
ストリートライブについては少し前に書きましたが、それでも柏など街として路上ライブをサポートするような場所もあります。
⇒【おすすめ】ピアノ弾き語りストリート路上ライブ場所と機材!(キーボード/アンプ等)これだけ押さえれば大丈夫!
そういったところが今後増えると嬉しいですよね。
まとめ:理想はライブハウス/演者/お客みんなで作っていくイベント
ライブハウスTHREEさんの信念はすごい素敵だなと思います。
理想は出演者とライブハウスとお客がみんなでイベントの成功を目指していくことですよね。
リスクを誰に押し付け合うでもなく、誰が偉いでもなく、より良い結果を目指して行動することが大事だと思います。
それは「ノルマをこうするべきだ!」とか、そういうことではなくて、それぞれがより良くなるためにどうしたら良いか考えて行動することが、結果として良い状態を生み出すのではないかと思います。
少し理想論過ぎますかね。
ノルマは確かに辛いです。
でもそこを乗り越えることで成長していけるところもあるかと思います。
最近はYoutubeやSNSやネット上での活動もしやすくなったと思いますのでそういったところにも力を割いても良いかもしれません。
あと、よく海外のライブハウス事情を持ち出して、日本のライブシーンはダメだ!(ドヤァ)って人いますけど、築いてきた歴史や文化の違いがあるので真似すればすぐ解決ってわけでもなさそうです。
日本のライブハウス事情はビジネスモデルを変えない限りはちょっと難しいですよね。
ライブレストランって形態が一番しっくり来ますかね。
⇒【東京】今すぐ行きたい生演奏が最高のおすすめのライブレストラン!
あとノルマ制度が気に入らない人は、チケットノルマのブッキングライブではなくて、自分でイベント企画するというのもアリだと思います。
実際そういうアマチュアミュージシャンって結構いるみたいですよ。
何はともあれ、簡単なようで根深い問題だなあと思います。
いまいち盛り上がりに欠ける日本のライブハウスのミュージックシーンが少しでも盛り上がっていけばいいなと思います。
それでは今日はこの辺で!
ふるのーと(@fullnote)でした!(*^^*)