こんにちは!ふるのーと(fullnote)です!(*^^*)
今回は米津玄師さんの「アイネクライネ」についてご紹介します。
新しい時代のアーティスト米津玄師
YouTubeでの再生回数が5億回を超え、日本中で知らない人がいないほどの大ヒット曲となった「Lemon」
「Lemon」のヒットによって、米津玄師さんの名前は一気に日本中に知れ渡りました。
米津玄師という存在をどのような名前で呼ぶのがふさわしいのか、とても難しいです。
ミュージシャン、クリエイター、シンガーソングライター、一つの名前で型にはめてしまうのは失礼だと感じてしまうほど、多彩な才能に溢れたアーティストです。
ボーカリスト、ソングライティング、ことば、絵、ファッション、ダンス、米津玄師という生き方がそのまま体現された表現の数々は、暗闇を照らす優しい光と心の奥にある普遍的な感性に訴えかけるポップさがあります。
独自の生き方と感性を、ジャンルにとらわれず繊細でポップに表現し続け、なおかつ多くの人に受け入れられる普遍的な音として響かせる米津玄師さん。
まさに、昔には存在しなかった新しい時代のアーティストと言うことができます。
今回は米津玄師さんの魅力と、代表曲の一つである「アイネクライネ」についてご紹介していきます。
米津玄師さんのプロフィール
アーティスト名 | 米津玄師(よねづけんし) |
ボーカロイド名 | ハチ |
誕生日 | 1991年3月10日 |
年齢 | 33歳 |
出身地 | 徳島県 |
パート | ボーカル、ギターなど |
メジャーデビュー曲 | サンタマリア(2013年) |
米津玄師さんはボーカロイド出身です。
ボーカロイドではハチという名前で活動しています。
2009年から「ハチ」名義でオリジナルのボーカロイド曲をニコニコ動画に投稿し始めます。
ボーカロイドシーンの中での存在感は圧倒的なもので、日本だけではなく世界中からの注目を集めます。
そして2012年に「米津玄師」名義で、自身が全てボーカルを取ったアルバム「diorama」を発表します。
このアルバムでは、作詞作曲からボーカル、演奏、プログラミング、ミックスダウン、アートワーク、ミュージックビデオなどをすべて米津玄師さん自身がが行っています。
元々、アンダーグラウンドで絶大な人気と存在感があった米津玄師さんですが、2013年のメジャーデビュー以降、その存在は徐々に多くの人に知れ渡るようになっていきます。
そして。2018年のTBSドラマ「アンナチュラル」の主題歌になった「Lemon」や、全面プロデュースを行ったFoorinの「パプリカ」によって、日本で知らない人はいないほどの大きな存在となり、今では世界から注目されるアーティストです。
語りつくせない米津玄師さんの魅力
語りつくせないほどたくさんの魅力に溢れた米津玄師さん。
アーティスト「米津玄師」の魅力をいくつかご紹介していきます。
妖艶で芸術的なダンス表現「LOSER」
「LOSER」は米津玄師さん5枚目のシングルで、名曲「ナンバーナイン」との両A面です。
重みのあるダンスビートに、ひんやりとした感覚で乗っかっていく気怠くて鋭い言葉の叫び。
混沌とした現代を生き抜く人たちのアンセムと言えるかもしれません。
「LOSER」のミュージックビデオで米津玄師さんはダンスを披露しています。
魂が体に乗り移ったかのような動きの一つ一つは、壊れてしまうほどに繊細で柔らかく妖艶です。
米津玄師という魂が、ダンスという表現のフィルターを通過して、体から空中へと解き放たれていきます。
ダンスの振り付けは、世界で活躍するダンサー・辻本知彦さんが担当されました。
ダンスの経験はなかった米津玄師さんですが、辻本知彦さんは米津さんのダンスを「万人に一人の芸術性」と絶賛されたそうです。
出典:https://www.m-on-music.jp/0000158357/
生きる表現者としての米津玄師の魅力が詰まったミュージックビデオです。
都会の高層ビルに囲まれて、狂ったように踊る米津玄師さんの表現は圧巻です。
数分間の映像ですが、映画を観ているような世界に惹きこまれます。
才能あふれる若手アーティストとのコラボ
2017年に発売された4枚目のアルバム「BOOTLEG」では、才能ある若手アーティストとのコラボした楽曲が収録されています。
「灰色と青」では、菅田将暉さんの哀愁漂う力強い歌声と、米津玄師さんの繊細で柔らかな歌声の掛け合いが、とても見事に楽曲の世界観を彩っています。
くすんだ色の中に暖かく優しい光に手を伸ばすような、そんな素敵な楽曲です。
菅田将暉さんには「まちがいさがし」という楽曲提供もしています。
この他にも「fogbound」では池田エライザさんが参加しており、淡い色をした暗闇の中を柔らかく漂うような神秘的な雰囲気の楽曲になっています。
「打上花火」はDAOKOさんに提供した楽曲のセルフカバー、「砂の惑星」はハチ名義で発表した楽曲のセルフカバーです。
「BOOTLEG」のジャケットや歌詞カードは、米津玄師さんが描かれた絵が収録されています。
曲を聴きながら一つ一つページをめくると、そこは楽曲の世界を彩る美術館に迷い込んだようです。
新しい時代に響く懐かしさ「パプリカ」
町で「パプリカ」が流れると、子供たちがみんな踊りだす。
いつのまにかそんな社会現象になるほどに、人々の日常に馴染んだ楽曲「パプリカ」
聴いたときに、柔らかい風が吹く田園風景の中を歩いているような、そんな懐かしくて純粋な感覚がよみがえってきます。
「パプリカ」はNHKの2020応援ソングとして、米津玄師さんが書きおろした曲です。
Foorinという5人の子供たちが、自由でフワフワと飛んでいるような魅力的なダンスをしながら歌っています。
後にセルフカバーもされています。
パプリカは、世間に溢れているような応援ソングとは一味も二味も違います。
「頑張れ」などという言葉は出てくることがなく、生きているという喜びを優しくかみしめるような温かさがあります。
米津玄師さんは子供のころから、応援ソングというものにあまり共感できなかったそうです。
わかりやすく大きなもの、広いもの、壮大なものに対する不信感はまず第一にあって。たとえば、いろんな応援ソングを聴いても、すごくいい曲だけど、あそこで歌われてる歌詞を、俺は信じられないんですよ。
出典:https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi08/page/2 マイナビニュース・インタビュー
そのようなところから、分かりやすい「頑張れ」というような応援ソングではなく、人間の原風景を思い出させてくれるような、生きているということを祝福するような応援歌が生まれていきました。
子供のころ、じいちゃんばあちゃんの徳島の田舎でいろんなことを感じながら過ごして、そこで巻き起こったものとか感じていたことを書こう、と。それは小さなことだけど、でも、それでいいと思ったんです。
出典:https://news.mynavi.jp/article/20180815-677188/2 マイナビニュース・インタビュー
「パプリカ」がこれほどまでに愛されるのは、生きていることそのものを祝福するような、そんな温かな応援歌を心の中でたくさんの人が求めていたからなのかもしれません。
「アイネクライネ」が灯す小さな光
「アイネクライネ」は米津玄師さんのセカンドアルバム「YANKEE」に収録されています。
アイネクライネはドイツ語で「小さな」というような意味です。
モーツァルトのアイネクライネ・ナハトムジークという曲が有名ですが、あれは「小さな夜の曲」というような意味になります。
ミュージックビデオは、イラストはもちろんですが企画・編集もすべて米津玄師さん自身が行っています。
パステルカラーの淡さが、とても美しくて優しい光を帯びているミュージックビデオです。
目をつむって曲を聴いたときに思い浮かべるイメージと、ミュージックビデオの世界観が見事に重なります。
ナチュラルさと歪みが絶妙なバランスで鳴り響くサウンド
「アイネクライネ」は、エレファントカシマシのプロデュースやサポートでも知られる、蔦屋好位置さんとの共同アレンジです。
アコースティックギターの響きが絶妙な味を出しています。
歌をの良さを最大限に引き出すアコースティックギターの音は、音色やリズム、音の選び方まで、繊細なセンスによって成り立っています。
逆再生のサンプリングなどマニアックな技術も取り入れられているようで、ただ、コードを適当に弾いているだけではあのような雰囲気にはなりません。
全体的にナチュラルで優しいサウンドですが、そこに絶妙なバランスで、少しシューゲイザーがかかったような歪んだ音色のエレキギターが入ってきます。
この歪みの主張が激しすぎると、ナチュラルで温かな手触りを壊しかねませんが、主張しすぎずしなさすぎずのバランスが本当に絶妙です。
サビ前のエレキギター、そして間奏の歪んだエレキサウンドからの、ワンクッションのタメがあってのサビは芸術的で鳥肌ものです。
どうしても歌に注目がいってしまいますが、こだわりぬかれたサウンドにも注目してみましょう。
生きることへのラブソング
アイネクライネの歌詞には米津玄師さんならではのことばが、自然な雰囲気で散りばめられています。
誰かの居場所を奪い生きるくらいならばもう
あたしは石ころにでもなれたならいいな
出典:「YANKEE」歌詞カード
あなたが居場所を失くし彷徨うくらいならばもう
誰かが身代わりになればなんて思うんだ
出典:「YANKEE」歌詞カード
アイネクライネの頃の米津玄師さんの歌詞にはストレートな「愛してる」などの言葉はでてきません。
それでもことばの中から、深い愛情や光が感じ取れるのは、卓越した言葉のセンスが、純粋な心の中から生み出されるからに他なりません。
「愛してる」という表現を使うようになったのは、サードアルバムの「Bremen」からだそうです。
『アイネクライネ』(『YANKEE』に収録)のときには、男と女の恋愛をテーマにした歌だとしても、歌詞の中に「愛している」などの言葉を一切使わずに“歪曲的”に愛情表現をするにはどうしたらいいのだろうということを考えました。
出典:https://realsound.jp/2015/10/post-4852_2.html Real Soundインタビュー
アイネクライネの歌詞から一貫して感じ取れるのは、小さな光を手繰り寄せようとする営みです。
その光は決して大きなものでも確かなものでもなくて、輪郭がぼやけていて掴んだと思った瞬間にはどこかに消えてしまうものかもしれない。
それでもその光に懸命に手を伸ばそうとしている人間が、たしか「アイネクライネ」にはに存在しています。
産まれてきたその瞬間にあたし
「消えてしまいたい」って泣き喚いたんだ
それからずっと探していたんだ
いつか出会える あなたのことを
出典:「YANKEE」歌詞カード
消えない悲しみも綻びもあなたといれば
それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけて消えていくような
奇跡であふれて足りないや
あたしの名前を呼んでくれた
あなたの名前を呼んでいいかな
出典:「YANKEE」歌詞カード
産まれた瞬間に「消えてしまいたい」って泣き喚きながらも、この世界でもがきながら光を探して生き続けたあたし。
そしてあなたのことを見つけた。
それは確かなものではないかもしれないし、永遠に続くものではないかもしれない。
それでもぼやけて溶けていくような奇跡を、優しく強く手繰り寄せる。
アイネクライネは生きていく切なさと喜び、そして優しさに満ち溢れています。
あなたへの愛、あなたを愛することで芽生える自分への愛、そして自分が生きている世界が少しだけ輝いてみえる、抱きしめる、自分が生きているこの世界への愛。
とても大きなスケールのラブソングと言うこともできるかもしれません。
ふるのーとさんのピアノ弾き語りで歌ってみた
私も、目指せ100曲カバーの中で歌ってみました!
良かったら聴いてやってください。
他にも色々とYouTubeにカバー動画をアップしています
米津玄師さんのアイネクライネ以外にも色々とカバー曲をYouTubeにアップしていますので、良かったら聴いてやってください。
それでは今日はこの辺で!ふるのーとでした!